言葉がくれる勇気。同時通訳者・田中慶子さんの著書から学んだ「言葉で伝える」大切さ

NHKの『あさイチ』に同時通訳者の田中慶子さんがゲスト出演されていました。
そのお人柄にすっかり魅了され、すぐに彼女の最新刊『言葉にすれば願いは叶う』を買いに書店へ走り、一気に読み終えました。

本のサブタイトルに『私に勇気をくれる英語フレーズ』とある通り、本書は、力強い英語のフレーズと、それにまつわる田中さんの思い出やエピソードが綴られています。

今の時代、SNSでの誹謗中傷など、言葉が凶器になる側面がクローズアップされがちです。
また、私たち日本人は「あうんの呼吸」という慣用句があるように、「言葉にしない美徳」のような感覚を持っていたりします。

それでも、私は言葉というものを、とても大切なものだと考えています。

言葉は、時に人を救い励まし、そして勇気を与えてくれるものです。
たとえ「言わなくても伝わっている」ことであっても、あえて言葉にして伝えることの大切さを感じています。

「ありがとう」「感謝しています」「あなたがいてくれて嬉しい」

こうした言葉を口にするのは、少し気恥ずかしい気持ちがするかもしれません。
しかし、もし自分が言われる側だとしたら、やはり嬉しいし、温かい気持ちになるはずです。

私が主催している『笑顔終活サロン』では、参加者の皆さんと一緒にエンディングノートを書いています。
エンディングノートには、ご自身の「大切な人へメッセージを書く」ページがあります。

本来、エンディングノートに書かれたメッセージは、自分に万が一のことがあった場合に、その大切な人たちに読まれるものです。

ところが、エンディングノートに言葉を綴ってみると、「この言葉を本人に今、自分の口から伝えたい」という気持ちになるのが不思議です。
もちろん、そう思えたのなら、ぜひ勇気を持って、直接、その言葉大切な人に伝えてあげてください。

今、伝えられなかったとしても、言葉にしてノートに書いてみたことで、改めて自分の思いに気づく、ということもあると思います。

田中慶子さんの本は、改めて言葉の持つ力と素晴らしさを教えてくれました。