私は今から10年ほど前、「いつ何があるかわからない、突然死んでしまっても残された家族が困らないように」という想いから、自分自身のエンディングノートを購入し、記入しました。
この頃では「終活」という言葉もすっかり一般的になり、書店には多種多様なエンディングノートが並んでいます。自分用のノートは内容を見て好みのものを選べば良いのですが、悩ましいのは、ご両親に書いてもらうエンディングノートを選ぶ際ではないでしょうか。
なぜ親との「終活の話」は難しいのか
相続の第一歩は、家族間でざっくばらんに話し合うことから始まります。ところが、これがなかなか簡単ではありません。
特に高齢の親世代にとって、「終活」という言葉は馴染みがなく、相続や遺言書の話を切り出そうものなら、「縁起が悪い!」「俺を殺す気か!」「以上!」と、会話がすぐに終わってしまうという話はよく聞きます。資産や財産の話などは、程遠い道のりです。
エンディングノートを「話し合いのきっかけ」に
そうした状況を打開する有効なツールとなるのが、エンディングノートです。
「実は自分も書いているんだけど」と、実際にノートを見せながら話を切り出せば、「どれどれ」と興味を持ってくれるかもしれません。うまく行けば、「ちょっと書いてみようか」という流れになる可能性もあります。
エンディングノート自体に遺言書のような法的な効力はありませんが、ご両親が「どんな想いでいるか」を知るための、貴重な手がかりとなります。
親世代の抵抗を減らす!失敗しないエンディングノート選び
そんなご両親に書いてもらうエンディングノート。いざ選ぼうとすると、いくつか迷うポイントが出てきます。
私がまず重要だと感じたのは、ネーミングです。死の話題をタブー視している親世代には、抵抗なく受け入れてもらうためにも、なるべく「死」を連想させないネーミングのノートを選ぶのが賢明です。実際、書店で売られている商品を見てみると、ネーミングやデザインに様々な工夫が凝らされていることがわかります。
また、エンディングノートの内容も商品ごとにバラエティに富んでいます。
- これまでの人生を振り返る「自分史」のようなページ。
- これからやってみたいことを記入する「未来へ向けた」ページ。
ご両親の性格に合わせて、「楽しく」「前向きに」記入できるような物を選ばれてみてはいかがでしょうか。会話を楽しみながら、一緒に記入してみるのも、最高のコミュニケーションになるかもしれません。
